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家に着いたと同時に章吾はお風呂の給湯スイッチを押して準備してくれる。
結婚してからも仕事を続けていいよと言ってくれた章吾は、こうして家事も進んで手伝ってくれているのだ。
仕事から帰宅して夕食を作るのも、明日のお弁当を作るのもいつも一緒。
深夜に起きて横浜に行く章吾は私を起こさないように静かに家を出て行ってくれるし、冷静に考えたらそれだけでも私はこの人の愛に包まれているのに。
人はそれが日常になるとそこにある思いに気づけなくなるのだろう。
ようやく溜まった湯船に二人で浸かる時だって、章吾はいつも私を背後から優しく包んでくれる。
「あー、やっぱ髪にグリスついてるぞ」
「……そう」
「まぁ洗ってやるし」
「うん」
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