オマケ③■真尋Side 溺愛

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このツナギはいつも章吾の車の中に丸めて入れてあったものだ。 基本的にオイル交換などのメンテナンスは章吾も馴染みの修理屋任せだからあまりこのツナギを着ることはない。 それなのにこんなにも汚れているのは、きっとこうしていつも私のトラックまでメンテナンスしてくれていたということ。 大和が言うように章吾はあまり言葉で愛を囁くような男じゃない。 だけどあんな酷いことを言った私を責めることもせず、こうしてトラックのメンテナンスにやって来た章吾の思いを考えたら答えはたったひとつだ。 ───私は、この人に愛されている。 きっとそれは子供だった頃から今までずっと。
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