成長と悪魔と友

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 日が登って日差しが教室内を照らし暖かな気温が漂っている、そこで綜馬達新入り軍人は軍の教え等や敵の特徴、武器に関して勉強しなくてはならない。  「では次に武器に関して…番条、答えろ」  静かな空間でペンを走らせる音の中に先生の声が飛ぶ。  「はいはーい」  呼ばれたのは番条 一真(ばんじょう かずま)で身体能力は平均より上ほどで、頭脳は新隊員の中でトップクラスに入るほど頭がキレる人物、かなりのお調子者だが全ては計算のうちに入っている。  「人個人の性格、体格から読み取り武器を精製します、そしてそれで下級モンスターは狩れます。しかし鬼と吸血鬼は倒せません、この2種に対抗するためには悪魔と契約することになります。悪魔の力を自分の武器に付与した物を魔神器と呼び、悪魔のランクでも魔神器のグレードが上がります。っとこれでいいすか師龍大佐?」  手本通りの説明をした番条は椅子に腰掛ける。  「よし、今まで学習したことは頭の隅に入れとけ。1番突っ込まなきゃいけないのは実戦で得た知識だけだ。お前ら武器は既に持ってるらしいな、よし。4人1組のチームに別れろ」  その時沈黙していた教室内がざわめき始めた、それはそのはず。学科の中で誰がチームを作れと、実技ならともかく急にそんなこと言われたら当然ざわめくのが当たり前なのだ。  「どうしようか、僕あんまり知り合いいないし」  綜馬の発言はここの全員がそうだろう、まだ入隊してからお互い知る期間はなかったからだ。  「僕が仲間にするならー」  綜馬の考えはチーム、他の三人をそれぞれ優秀な者で選ぶか。それとも比較的社交性のある者で連携を取りやすくするか2つに一つかというのだ。  「番条君、一条さん、条野さん、お願いできないかな?」  綜馬が目をつけたのは秀才の番条と一条家の血を継いでいる一条 緋花(ひばな)、入隊式で話す様になった条野 凛の3人だった。     「んー?四条の?うん、四条とならやってけそうだな。よろしく、バンジョーって読んでいいよ?」    「おお!綜馬君じゃん?!うん一緒に頑張ろうね!」  幸い番条と条野は簡単に了承してくれたが残るは一切椅子から動こうとしない一条緋花だった、一条家をチームに入れようなんて誰も思わないからだ。
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