家族と死と別れ

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 身体が冷たい…  指先は既に感覚がなく動いているかすら分からない。  目を開けると白い雪がゆらゆらと降っている。  そして何時からいるのか分からないが少しずつ身体が雪に埋もれていくのも実感している。  「みんな…どこ行ったんだろ?もう追いつく頃じゃないのかな?」  独り言で嘘を言う奴は珍しいと思われるかもしれないがそれは自分でも気づいていた、しかし現実を受け止めたくないという心が強かった。  先程の出来事を冷たくなった身体で思い返してみる…   あの悪魔のような時間を…
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