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「ここは…」
辺りを見渡すと白い空間、上を見ても白い空間、先程の所ではないのを綜馬は感じた。
『ここは私の空間、貴様から意識だけ持ってきた』
背後から声がして振り向くと、そこには純白の鎧にマントさえ曇りのない白色に身を包みこんだ女性が立っている。髪は金色の絹糸のようで美しいという言葉では到底括りきれない程の凛とした態度で綜馬と向い合う。
「あなたがもしやルシファーですか?」
『ここは私の空間だ私と私が許可したもの以外いない。抜け、小僧』
表情変えず淡々と話すルシファーは綜馬に剣を抜くように言うと自分も腰に下げている両刃のこれまた白と金色の剣を抜き出す。
『契約者として認める方法は一つだけだ、この私に剣術で勝ってみせよ。強さこそ正義だ!』
綜馬はバタフライナイフを右手に、ソードブレイカーを左手に取り、それを確認したルシファーは距離を詰める。
ルシファーは自分の間合いまで詰めると綜馬より先に剣撃を繰り出す、それに対して綜馬は両手の短剣で避け続ける。
「ルシファーの剣撃、早い!そのくせ大剣みたいに一撃一撃が重い!受けると腕まで痺れる!」
ソードブレイカーは峰が凹凸になっておりそこに剣を食い込ませ折るのが使い道だ。しかしルシファーの剣撃の速さでそれを食い込ませるのは非常に困難だ。
「流石に受け続けたら腕が持ちそうにないですね、何より認めさせれないですし!」
そしてルシファーの一撃を受けると右手のバタフライナイフで反撃を仕掛ける。
『短剣の二刀流か、しかも片手はソードブレイカー、敵の攻撃を受けると同時に凹凸にかませて敵の攻撃を封じるとともに右手で攻撃をする。理にかなった攻撃スタイルだ』
一対一では綜馬の方が断然有利だがこのスタイルにも当然弱点はある。
ルシファーが斬撃をすると同時に綜馬は凹凸にルシファーの剣をかませることに成功した、しかし綜馬が剣を折ろうとした瞬間にルシファーの足払いで体重を掛けていた軸足を払われて体制が崩れる。
綜馬は今まで凹凸にかませれない武器を使う相手でも攻略してきたが、一番の弱点はこれだった。
剣術と体術、両方を極めている相手には圧倒的不利を強いられる。
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