家族と死と別れ

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まだ12歳の2人の男女は山へと向かい走り続ける、途中でモンスターや鬼をやり過ごしながらも山へと近づいていく。  「ほら!あと少しで山に入れるよ!山に入ったらあっちだって探すのが困難になるはず!」  山の入り口が見える距離になって2人は意気揚々としているとそれは突然ドン底に落とされることになる。  「困難にはならないよ、だってもう見つけちゃったんだもーん」  その声で2人は走るのをやめてすぐに振り返る。  予想通り立っていたのはさっきの吸血鬼2体だった、さっきと違うのは服装だ。さっきより返り血の様なものがベッタリと付いている。  「まさか、お父さんたちは…」  「うん、仲良く死んでもらったよ。さてさてっと、あれ?1人増えてるじゃんよ、まぁいいか。さぁ一緒に来てもらおうか」  その言葉に綜馬は絶句して膝を地面に着く、そして嘘だ嘘だ、と繰り返しつぶやき続ける。    「あっ!あの!」  声を上げたのは杏だった。  「杏、ちゃん?」  「あの吸血鬼さん、行くのは私一人じゃダメなんでしょうか!?綜ちゃんは逃がしてくれませんか!?」  その時綜馬と吸血鬼たちは固まった。  そんな言葉誰も出るとは思っていなかったからだ、しかも吸血鬼側にはメリットがないことを。  「え、大丈夫この子。友達を庇うのは人間らしいんだけどそこまで友達を守って何になるの?君は得なんてしてないしゃない、損だけするんだよ?」  「それでもっ!私は綜ちゃんが好きだから…」  再びこの場が凍りつく、そして杏は吸血鬼の側まで近づいていく。  「私だけ連れて行ってください、おねがいします」  「おい、一つ言っていいか?俺らはお前1人を連れて行くになんのメリットがある?俺らは今2人を連れて行くことだって出来る。」  杏はそこまで話しあうほど考えてはいなくただ綜馬を逃がしたい一心での発言であったため言い返せることはできなかった。  「よし、二人とも連れて行くか」  そして吸血鬼が手の関節を鳴らすと地響きが周りを包む。   「嘘だろ、まさかこのタイミングであいつらか?」
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