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お母さんに挨拶をしなければ。
「初めまして。こぐま組担当の藤岡真弥です。よろしくお願いします」
「矢代真里の母です。こちらこそ、よろしくお願いします。それであの…まりは四人兄姉の末子で、上の子たちと歳も離れているので甘えん坊のところがあって…心配なんですけれど…」
「そうなんですか!大丈夫ですよ、しっかり見ますので」
お母さんを安心させようと思った。始めにお母さんは皆さんそう言うものだ。やんちゃだとか恥ずかしがりだとか。
それに…こんなことを思うのは失礼ではあるけれど、まりのお母さんは体調が悪そうに見えた。
それでもしっかりした物腰だから、肌が白すぎてそう見えるのかもしれない。
そばかすのひどい私にとっては羨ましい限りだが。
「まりちゃんの先生だって。まや先生っていうの。優しそうな先生ね」
おお、嬉しい。
しゃがんでまりにもあいさつをすると、彼女は声は小さいがお辞儀をして返してくれた。
なんだ、きちんとしているではないか。
一体どのあたりが甘えん坊なんだろうか。
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