黄瀬斗織という人物についての考察

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『俺とオレとお前』 黒くん視点。 *** 春の陽射しが暖かい昼休み。 いつもの場所で昼寝をしてるトオル。 不意に近付く影が一つ。 ツンツンとトオルの頬を突いてトオルに目覚めを促す。 「…んー、誰?」 「あ、トオル起きた?」 影は律だった。 トオルは眠りを邪魔された事にムッとした表情を作ったが相手が律だと分かれば微笑んだ。 「おはようトオル、よく寝た?」 「うん、寝た」 問いかけに答えたトオルの頭を撫でてやればニッコリと笑みを浮かべる。 「春だからってこんな所で寝てると風引くよ?」 「大丈夫、あったかいもん。ところでいつまでその口調なの黒くん?」 律は驚き目を見開く。 だが、すぐに表情を無くすとぶっきら棒に言い返した。 「いつから俺が″オレ″じゃないって気が付いた?」 「頭撫でたところから、かな?」 黒はつまらなさそうにトオルの隣に寝転がった。そして悔しそうに呟いた。 「なんで気が付いた?」 「笑顔がぎこちなかったよ。まだまだ修行が足りんな」 トオルはクスクス笑いながら黒に寄り添うよう寝転がると胸に手を回し、ギュッと抱き付いた。 「ちょ!離れろ!暑苦しい」 「やだ!睡眠妨害した罰だー!」 2人はジャレ合うようにゴロゴロと寝転がり、しまいにはどちらからも静かな寝息が聞こえる始末。 午後の教室に人が居ない机が二つ増えたのだった。 春の陽射しが暖かい昼休みのお話。 もう律と黒くんを間違えることは少なくなっていた。 だから油断してたのかもしれない。 律の心の機微に気が付かなかったのかもしれない。 →
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