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 おばあちゃんは一カ月前、一人暮らしをしている家で倒れていたのを発見された。  病院に救急搬送されたおばあちゃんは幸い一命は取り留めたものの、記憶に混乱が見られ、それは一か月経った今でも改善されていない。  むしろ、日に日に悪化している。  孫である私の事は勿論、実の娘である私のお母さんを見ても、誰だか判別出来ない。  話す事もあやふやで、辻褄の合わない事ばかりを喋っている。  だけど、おじいちゃんと別れた話をする時だけはしっかりと話をしてくれる。  目に輝きが灯る。  それは、私が大好きだった、元気な頃のおばあちゃんの顔と全く同じだった。  私はそんなおばあちゃんの顔を見たくて、お見舞いに来る度にこの話を聞いている。  今日で多分、五回目くらいだ。  それでも、この話は何度聞いても飽きない。  話すおばあちゃんの顔が好きだし、何より、私も、おじいちゃんみたいな人と出会いたいなって、そう思う。
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