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表情のない顔が怖かった。
その恐怖からふざける事もできなかった。
「龍馬、やめろよ」
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
黙ったまま、無表情で俺を見る龍馬。
「俺、教室もどる。」
「まだ話終わってねぇよ」
龍馬が立ち上がろうとする俺の肩を突き飛ばす。力強いその腕に押され俺はバランスをくずす。
地面に背中がつく。
「んだよ。いてぇな。」
起きあがろうとしようとすると、
龍馬が再び俺を突き飛ばし、上に覆いかぶさる。
「やめ…やめろって。おい、龍馬どけよっ」
どんなに身じろいでも俺よりも身体がでかい上に、力が強いらしい龍馬に押されて身動きとれない。冗談じゃない雰囲気に怖くなる。龍馬が俺の手を押さえつけ頭上で一つに束ねる。もう片方の手で顎を掴まれ無理やり正面に向かされる。普段温厚でクールな龍馬とは似ても似つかないその姿と、自分が組み敷かれているという事態に頭が混乱する。
「…めっろ。りゅう、まっ…離せよっ」
顔を動かせば、掴まれている場所に余計に力が加えられ、痛みに顔が歪む。
「言う事きけよミナト。」
余計に強く掴まれ、顔の位置を正される。
「なんだよ…お前何してるかわかってんのか?」
龍馬が顔を近づいてくる。キスされるかと思い、咄嗟に硬く目を閉じる。その拍子に下唇を強く噛んでしまった。
「っ、ぃて…」
口の中に鉄の味が広がる。
それと同時に龍馬は俺の下唇を舌でなぞる。
その感覚に生理的に下半身にこそばゆいような感覚が走る。
龍馬は下唇に這わせていた舌を俺の口内に押し込む。女とするのとは違う。同じ男に体を弄られ、気持ち悪さに、吐き気を催す。息ができない苦しさから口を開けると更に深く沈めらる。
俺の顔を掴んでいた手は、俺の下半身を弄り始める。力一杯顔をそらし俺は全力で抵抗する。
「っめろ、」
俺の意志に反して下着の中に気持ち悪く進む手。
下着をずらされ露わにされる。楽しむように龍馬は緩くもたげているだけのソレを軽く数回扱く。
「全然勃ってねぇな。泣くなよミナト」
それから手を離し、俺の目尻にたまっていた涙を拭う。俺はなんでこんな目にあってるのか、
変わり果てたクラスメートにショックを受けたのか、何が理由かわからねぇけど、気づいたら泣いていた。こんな姿誰にもみられたくねぇ。ふと、我に返り緩くなった拘束から、手を抜き、俺の正面の顔面を思いっきり拳で殴る
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