不協和音

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俺の高校生活は順風満帆だった。 中学時代、まともに勉強もせず、オンナや連れと遊びふけっていた俺は、当然内申点も成績も悪く、せめて高校はいきなさい。あんたの脳みそ栄養足りてないのね。全て顔に行ったかのね…と冗談まじりに形だけ嘆く両親を尻目に、家から一番近い馬鹿高校に進学する事にした。私立だったから多少愚痴られるかなと身構えていたが行くだけましと何も言われなかった。 家族仲もたいして悪くなかったし、2歳上の地元でもど不良で有名だった兄貴みたいに反抗に精を出すほどアツイガキでもなかった。両親も、分別がない兄貴に比べればマシといわんばかりに俺は放任されていた。 俺は賢いわけでもなんでもなくて、兄貴より少し容量がよかっただけ。 そういうわけで仲の良い連れと、名前を書けば受かる馬鹿私立に進学した。 入学式は、 例年よりも早い桜の開花のおかけで満開だった。
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