鳥使いのおじいさんとフウセンオウム

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サキは、 ほんとうはサーカスがどういうものか、久しぶりに興味を持ったのですが、 サキの家はとても貧しく、サーカスのチケットは、サキのために両親が買おうとがんばってみたものの、結局手に入らずじまいだったのでした。 この高齢のおじいさんは、とても立派な燕尾服をまとい、シルクハットをかぶり、肩にオウムを乗せ、鳩を数羽手のひらから出していたので、すぐにサーカスの一員の、鳥使いのおじいさんだということがわかったのでした。 オウムやハトの脚には、青い風船がくくりつけてありました。 ハトたちは一生懸命、風船にあらがってじたばたしていましたが、どうにもならず、ついにはおとなしく座っておりました。
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