第1章

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連れて歩く一年生は、全員真新しい制服に身を包んでいる。 男子はワイシャツに薄手の白いセーターでズボン。 女子は肩の部分が膨らんだ特徴的なブラウスにワンピースの制服。 見慣れているはずの制服も、新しいとどこか違うように感じた。 隣を歩く花良の表情を、そっと見る。 恥ずかしさからか、俯いて祈るように両手を握りしめていた。 「花良、悪かった。生徒会の人間じゃないのに手伝い頼んじゃって」 そう謝った俺の言葉に、花良は小さく首を振る。 「ううん、いいの。日宮くんの役に立てるなら。 それに、他の執行部さんとか役員さんとか皆忙しいでしょう?」 花良の言葉の通り、一年生歓迎のイベントのために生徒会の人間はてんてこまいで動き回っていた。 花良は、そんな俺達のことをよく見ていてくれている。 感謝の気持ちをこめて、花良の頭に手を添えた。 「ありがとな、花良」 その瞬間、花良は頬を見事な桜色に染め上げる。 三年目になる今年も花良の初々しさは健在。まったく、見ていて飽きない。 春宮花良。 腰の下まで伸びる黒髪が綺麗で、大和撫子という言葉がよく似合う。 俺の髪は色素が薄いから、花良の黒髪が尚更うらやましい。 春宮家は国の学園経営に携わっており、花良の祖父母はこの国立八条宮学園の理事長と学園長でもあった。 あの二人を見ていると、花良の温和でおっとりとした性格も頷ける。 ちょっと人前が苦手だけど、それでも花良はがんばろうとする。 がんばってる姿が目に見えるっていうのは、とても可愛いよな。
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