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花良は、俺の隣で博物館の各ブースを説明していた。
博物館の内部は大きく分けて四つある。
結晶の説明コーナー。
結晶に関する図書コーナー。
結晶研究機関見学コーナー。
そこまでを説明して、一番奥へと向かう。
ここは年に一度、ほんの一週間程度しか一般公開されない。
しかし、この博物館の中で最大の面積を誇っていた。
専用のIDとパスワードを入力すると頑丈な扉が開く。
最新鋭の技術を投入されて守られているものは、目の前に大きく広がっていた。
中に入った一年生は、一瞬にして言葉を無くした。
例えるなら、水族館のような大きなガラスケース。
円筒状のそれは、とても高い天井のぎりぎりまで届いている。
特筆すべきは、ガラスケースの中だろう。
星々が瞬いているように、一面中きらりきらりと輝いている。
奥深くの中心にいくほど輝きは少なくなるものの、濃度が高いのか銀河のように光が渦を巻いていた。
広大な宇宙の縮図にも見えるこれらが結晶。
これが、この国の歴史を紡ぐもの達だった。
俺と花良を囲むように集まった一年生達は結晶に目を奪われたまま腰をおろす。
もう二度目になるこの光景も見慣れたもの。
誰だって結晶に心ごと奪われるものを感じるのだ。
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