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「あんなわがままなバラなんて、放っておきなさいよ」
花たちはカスミソウにそう言い続けていました。
わがままなバラに振り回され続けるカスミソウがかわいそうだったからです。
だけど、カスミソウは必ず同じ答えを返してくるのです。
「私が離れてしまえば、バラはひとりになってしまうわ」
花の中でも人気の高いバラは、いつもお姫さま気取り。
誰が決めたわけでもないのに、花のお姫さまだと言いはっています。
「あんな性格だけど、バラはとても弱くて繊細なの。とても一人にはできないわ」
カスミソウは、バラの近くを付かず離れず、かいがいしく世話を焼き続けるのでした。
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