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バラは分かっていました。
自分が嫌われていることも、カスミソウに甘えていることも。
だけど、バラとしてのイメージを保とうとするあまり、すなおになることができませんでした。
「あなたはあなたのままでいいのよ」
カスミソウの優しい言葉が心地よくて、バラは態度を改めることができません。
だけど、心の中ではカスミソウがとても大切で。
口には出さないけれど、感謝をしていました。
一人でいるときには、「全部アンタのおかげよ、ありがとう」と言えるのに、カスミソウが目の前にいると、わがままばかり言ってしまいます。
「あたしがバラじゃなければ、もっとすなおになれるのに…」
カスミソウの優しさは、バラの持つトゲのようにバラの心に突き刺さります。
そして、自分を責め続けるあまりに、心はどんどんと病んでいくのでした。
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