バラとカスミソウ

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しばらくすると、ふらりと、バラがやって来るようになりました。 嫌われもののバラは、カスミソウがいなくては一人ぼっちなのです。 さみしがり屋のバラ。 きっと、耐えられなくなったのでしょう。 「うつってしまうわ」 そう心配するカスミソウにバラは言います。 「アンタと離れるくらいなら、それでもいい。一人になるくらいなら、いっしょにいるから」 カスミソウがいなければ、バラはお姫さまにはなれないのです。 バラは、カスミソウがいてこそ、引き立つのだから。
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