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『ありがとうございました。また、お話をしに来てもいいですか?』
わかったのに、私はその問いかけに対して思わず『いいよ』と、言質を与えてしまっていた。
お礼を言い、笑顔を浮かべながら去っていく彼女を見送り、私は手のひらに残る魔力の気配をまじまじとながめた。
何とまぁ、可愛らしい魔物もいたものだ。
あれでは力に反応できなければ簡単に引っ掛かってしまう。
わかっていて『また』を約束した私はやはり罪人だろうか?
思いながらも『また』はきて、私は知らぬふりで楽しい会話を交わした。
それが数回続いた後の、二月半ばの事だったのだ。
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