第8話 ノンフィクション率1%

3/5
前へ
/5ページ
次へ
『ありがとうございました。また、お話をしに来てもいいですか?』  わかったのに、私はその問いかけに対して思わず『いいよ』と、言質を与えてしまっていた。  お礼を言い、笑顔を浮かべながら去っていく彼女を見送り、私は手のひらに残る魔力の気配をまじまじとながめた。  何とまぁ、可愛らしい魔物もいたものだ。  あれでは力に反応できなければ簡単に引っ掛かってしまう。  わかっていて『また』を約束した私はやはり罪人だろうか?  思いながらも『また』はきて、私は知らぬふりで楽しい会話を交わした。  それが数回続いた後の、二月半ばの事だったのだ。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加