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『貴方の心が欲しいです』
魔物としてなら『贄』。
少女としてなら『恋』。
よりにもよってこんな全国的イベント日を選んで、しかもこんな乞われ方をするとは……。
けれど最初の言質を与えてしまった時点で、私の心はすでに大きく傾いていたのだろう。
私は同じく暫しの沈黙の後に、自分でも驚くほど穏やかに答えていた。
『良いですよ、貴女なら』
途端に彼女の顔に浮かんだ表情。
悲痛と動揺と歓喜が入り交じった複雑な顔を見た後、私は自分の意識が落ちるのを自覚した。
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