本文

5/9
前へ
/11ページ
次へ
3か月が過ぎる頃、彼女の電話は繋がらなくなった。 俺は彼女の家を訪ねた。 彼女の父親には一度も会ったことがなかった。 チャイムを押すと女の人が出てきた。 あれ? おかしいな。 彼女の母親は一緒に東京に行ったんじゃないのか? 出てきた女の人は若かった。 俺が一生懸命話したことを鼻で笑った。 「坊や、かわいいね」 「は?」 「それ全部嘘よ。離婚したのよ。私が後妻ってやつ。よろしくね」 は? 「こんな田舎だとまだ体裁とか気にしてそんな嘘つくのかしらね。坊やのカノジョ、優しいね」 そんな……。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加