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俺は有り金をポケットに捩じ込むと列車に飛び乗った。
列車は俺を東京駅までは運んでくれたが、そこから先は難儀だった。
初めての東京。
無駄な時間、無駄な金を使ってようやく彼女のいる所にたどり着いた時俺の目に映ったのは、俺にだけ向けてくれてたと思ってたあの可愛い微笑みを別の男に向けていた彼女の姿だった。
それだけじゃない。
彼女とその男(俺より年上。大学生風)は俺になんか気づかず、完全に2人だけの世界になっちゃって、キスなんかしだしちゃって――
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