時守家の秘密~猫神様がやってきた~

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***  ――許さない、許さないんだからね。  玄関扉をバタンと大きな音をたてて閉めて、リビングへと突き進む。そこには真一がソファーに横になって昼寝していた。  ――ああ、ムシャクシャする。  寝ている真一に近づくと、頭を小突き「馬鹿、阿呆」と罵った。 「いてぇな。いきなり何をするんだ」  真一はそれだけ口にすると押し黙ってしまった。 「なによ、なんか私の顔についているっていうの」 「あ、いやなにも。何かあったのか。すごい怖い顔しているぞ。それに泣いているのか」 「なによ、怖い顔って。泣いてなんていないし、どうせ、私はブサイクですよ」 「いや、そんなこと……」 「いいから、黙って」  ミコは真一の言葉を遮り怒鳴った。 「ああ、もう腹立ってきた。絶対に許さないからね。真一、私、しばらく猫の街に帰るから。呪ってやる」  近くにあったゴミ箱を蹴り飛ばして、再び玄関扉をバタンと閉めて駆け出した。 ***
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