時守家の秘密~猫神様がやってきた~

25/29

7人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
「おまえは何者だ」 「うるさい、黙れ。裏切り者が」  ――ダメか。話の通じる奴じゃないさそうだ。 「吾輩は裏切ったりなどせぬ。おまえの話しをじっくり聞いてやると言っているのだ。怨みなど捨てろ」 「ふん、裏切り者じゃなければおまえは偽善者だ」  黒い影は突然、両手を突き出して首もとへと向かってきた。ネムは黒い影の突き出した躱して払い除けた。 「今だ、ミコを連れて行け」  ネムの声に素早く反応したアキがミコを抱きかかえて皆のもとへ連れて行く。恨めしそうな目つきでアキを目で追っている黒い影。 「許せぬ、許せぬ、許せぬ」  黒い影が放つ冷気があたり一面を凍り付かせていく。ネムも黙ってはいない。逆に暖かな風の気を放ち凍り付いた大地を溶かしていく。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加