7人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
「でも、アキちゃんは本当に男の子なの?」
頷くアキ。
「まあ、美形だからな。間違われても仕方がないか。吾輩も初めて逢ったときは、女の子だと思ったものだ。真一も間違えたもんな」
「まあな。それはそうと、皆とはいい友達になれそうだよな」
「うむ、そうだな」
真一とネムは頷き合った。ミコもアキもその言葉に頷き笑みを浮かべていた。
「アキの笑顔は怖いぞ」と時歪がボソッと呟いた。
その言葉を聞き逃すはずのないアキは、こっちへ近づき胸ポケットから時歪を掴み取り思いっきり窓の外へ放り投げてしまった。
一同、その行方に目を向けていたらどこからか飛んできていたカラスがうまい具合に足でキャッチして連れて行ってしまった。
「もしかして、もう帰って来られないかもしれないな」
彰俊の言葉にアキは「自業自得」とだけ口にする。ネムはアキの言葉に笑んで呟いた。
「自業自得か。けど本当は良い奴なんだろう、あれでも。それに大丈夫だろう。あれは吾輩の知り合いの八咫烏(やたがらす)だから」
完
最初のコメントを投稿しよう!