時守家の秘密~猫神様がやってきた~

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*** 「あーあ、退屈だ。依頼者が来ないとはなんとも面白くない。何ヶ月も阿呆の面(つら)ばかり眺めていても何にも始まらないからな。あーあ、退屈だ」  ――まったく、いつも一言余計なんだからな。 「トキヒズミ、うるさい」 「はい、はい、黙りますよ」  時歪は項垂れて隣の部屋へと歩いていった。 「あ、そうだ。もしかしたら依頼者が来るかもしれないぞ。予兆の夢を見たからな」 「なに? このボケボケが。それを早く言えよな」  時歪は踵を返して戻ってきて胡坐をかいてドンと座り込んだ。  そのとき、玄関チャイムがタイミングよく鳴った。 「依頼者、来た」  アキも笑みを浮かべている。だが、引き攣った怖い顔にしか見えなかった。いつまでたってもアキはうまく笑顔が出来ないようだ。  彰俊は玄関先に顔を出す。
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