ずっと待ってる光景

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   4 「ずっと待ってるから」  夜。合コンの終わった席。ふと漏れた彼女のささやきを聞いてしまい、わたしはテーブル上に散乱した食器類を片づけながら、なにげないふうを装って声をかける。 「だれかお待ちなんですか?」 「ええ。あたしをお持ち帰りしてくれる殿方を」  意固地になっているのか、彼女は正座をし、握った拳をひざに置いていた。彼女なりの決意表明なのかもしれない。 「そうですか」 「なのに、なのに……」  めんどくせー客だなあ。彼女の瞳から流れ落ちる涙を、わたしは黙って放っておいた。
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