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そのシルエットはまさしくカジキマグロだ。いや、でもあのシルエットなんかおかしいぞ…手足生えてねぇか?
そしてそのカジキマグロ?は華麗に足?で港に降り立った。そのカジキマグロをよく見るとカジキマグロのヒレ辺りから腕が、尻尾の付け根の方から足が生えていて、頭の下の部分から顔が出ている。そしてその顔はグラサンにワイルドなヒゲ、加えて葉巻を吸っている(なんで火がついてんだ?)。ハードボイルドな感じするオッサンの顔をしている。着ている?カジキマグロの方は生々しく着ぐるみという感じがしない。まるでカジキマグロがオッサンと融合してるみたいだ。つっこみどころが多すぎるがここで
「…待たせたな」
カジキマグロなオッサンが口を開いた。
「二人か…しかも若いな…っでどっちがこれを送ったんだ?…これを」
溜めのある話し方をするなぁ、この人。それは置いといてカジキマグロなオッサンは手に何か紙を持っている。その紙をよく見ると「果たし状」と書かれている。
「まさか、嬢ちゃんじゃねぇよな」
「えぇ、私じゃなくて彼よ」
陽子さんは俺を指差しながら言った。
「えぇ!?俺じゃないですよ。何言ってるんですか!」
「あなたが戦うのよ」
「なんで俺が」
「そのために連れてきたから」
「ぼうずがやるのか…俺は手加減しねぇぜ」
「だから俺じゃない。だいたいお前はなんなんだ!」
「彼は霊よ」
俺の問いに陽子さんが答える。
「霊!?」
霊って幽霊のことか?確かに陰陽師と繋がりありそうだけど…
「今は説明してる暇はないわ」
「でも」
「話はついたか」
突然の展開についていけない俺をカジキマグロなオッサンは無視して話を進めてく。
「俺の名は加治木(かじき)。加治木先輩と呼んでくれ…生前は海の漁師だった。しかし俺は死後カジキマグロと融合し」
あっやっぱり融合してたんだ。そして先輩つけなきゃいけないのか…
「魚の気持ちがわかるようになった。そしてそれからは海の魚を守るため漁船を破壊する義賊になったのよ。…というわけで海の魚を守る俺の邪魔はさせねぇ…いくぜ」
そう言って加治木は腕をクロスさせた。 そして叫びながらクロスした腕を激しく広げた。
「カジキカッタァ!」
その瞬間加治木先輩の手から二つの斬撃が放たれ俺に襲いかかってきた。
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