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いきなりの斬撃になすすべもなく俺は目をつぶってしまう。しかし
「結界起動!」
という陽子さんの声に俺は目を開ける。すると光の壁が2つの斬撃を弾くのが見えた。
「一対一ではなかったのか」
「ごめんなさいね。一緒にカジキマグロを狩ろうといったのを思い出したの。卑怯だったかしら」
「いや、戦いに卑怯もなにもない。あるのは生死のみだ」
加治木先輩の答えになんの反応もせず陽子さんは俺をみて細長い袋をこちらへ投げてよこす。
受け取った袋の中には一本の木刀が入っている。
「それで戦いなさい」
陽子さんはさらりと命令する。
武器が無いよりかはましだかしかし
「斬撃を撃つような相手に木刀なんて意味がないでしょう」
俺の問いに陽子さんが少し強い口調で答える。
「その刀はただの刀じゃないわ。その刀の名は斬魔剣(ざんまけん)。神聖な魔を斬る刀よ」
俺はその答えに少し考える。そうなのか?そんなにすごい感じはしないが…ただの木刀だよな…
そんな俺を見て陽子さんは言う。
「もう考えている暇はないわ」
俺は加治木先輩のほうを見た。加治木先輩はまた腕をクロスに構えている。
また、あの攻撃をするようだ。確かに話し合っている暇はない。こうなったらやるしかない。陽子さんとこの木刀を信じて。
「覚悟は決まったようだな、ぼうず…」
「待たせて悪かったな、加治木先輩」
少し生意気な返事をする俺、こうでも言わなきゃ精神が保てない。
「彼の攻撃と同時に我が力となれ、斬魔剣!というのよ、わかった?」
俺はその陽子さんの指示にはいと返事する。
そして少し間をおいて加治木先輩が攻撃を仕掛ける。
「…いくぞ、カジキカッタァ!」
それ同時に俺は叫んだ。
「我が力となれ、斬魔剣!」
次の瞬間、俺の体が勝手に動き、斬撃を弾く。いや、弾いたのではなく斬撃を消滅させた。具体的にいうと斬魔剣が斬撃に触れた瞬間に斬撃が光の粒となって消滅したのだ。
この現象に俺はもちろんだが加治木先輩も驚きを隠せない。 「ばかな、俺のカジキカッターが消滅した…そんなあり得ない」
「それが斬魔剣の能力のひとつ、霊体滅却(れいたいめっきゃく)。霊や霊が発生させる術を消滅させる能力よ」
驚いて動けない二人に陽子さんが言う。「ばかな…そんなことが…」
加治木先輩はその答えに呆然としている。
しかし、俺にはまだ聞きたいことがあった。
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