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一人の男が、コーヒーを飲みながら見ていた資料をぶっきらぼうに机に置き、ケータイを持ち直して電話していた。
『まぁ、さがみんにしたんやけど。
ははーん。もしかしてHYUGA、お前、新人が一人でやっとったんじゃないかと心配しとったんか?』
「るっせ!Re:setのリーダーとして気になってただけだ。ッンの馬鹿たれ!」
『まぁまぁ、そんな怒らんといてぇな』
電話相手・石見の笑いながら出した発言に、HYUGAは怒鳴り散らして再びコーヒーを一口飲むと、ニュースに入ってきた速報に目をやった。
「にしても、物騒だよな」
『何がや?』
「パトカーが主要道を走行中、突如爆発したんだ。お陰で死人や怪我人が続出だってよ。
都内……いや、日本国内で、無差別テロなんか起きやしないと思ってたが、とんだ事件が起きたもんだぜ」
『無差別テロ、なぁ……。
あ、せや。またさがみん怪我したで』
「はぁ?またアイツ防具着なかったのか?!
ったく、どうして防弾チョッキとか着ないんだよアイツは。しかも最低ランクだろ?それで怪我とか何してんだよ?!」
石見の報告にHYUGAは苛立ち、パイプ椅子の背もたれに寄り掛かると、カップに入った残りのコーヒーを飲み干し彼に問い掛けた。
「で、兼城と相模のコンビはどうなんだ?」
『結構相性抜群やで。もう喧嘩する程仲がえーっちゅうくらいや』
「そうか。なら、コンビはそれで決まりか。
兼城は、お前を大学に潜入させてサングラスのサイズを調べるくらい、森泉にとって恩返ししたい奴だもんな」
『なんや。知っとったんか』
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