白いヤンギレは、マジ相手にしたくない(前編)

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  「態度が悪ィのはテメェだろ!しかも礼儀とかなってねぇし、年上の癖にガキなんだよ!」 「ヤんのか?ゴラ」 「やってやろうじゃねぇか」 「何やってんだ、この馬鹿タレ共がァ!!」  バシンッ!バシーンッ!!  揉み合い現場にやって来た檜原が、大きなハリセンで容赦なく二人の尻を力強く叩くと、真っ裸で尻を片手で抑えて疼くまる二人を仁王立ちの状態で見据えた。 「お前ら、タッグ組んでんならいい加減仲良くなりやがれ!他のメンバーに迷惑だってことを考えてんのか?あア?!」 「スミマセンデシタ」 「モウシワケアリマセン」  二人は顔を下げたまま、棒読みで謝罪を述べる。  すると、檜原は、ハリセンで今度は二人の頭を叩くと、二人を蹴り飛ばして浴室に突っ込み指差して怒鳴り付けた。 「こンの大馬鹿タレ共がァッ!!  そんなに喧嘩してェんなら、互いに深く反省するまで風呂場から出さねぇぞ!!いいなッ!!」  バタンッ!! 「「……」」  檜原にこっぴどく叱られ二人は無言で暫く浴室の扉を見つめると、互いの顔を見てそっぽを向いた。 「だいたい怒られたのは、お前のせいだからな」 「は?アンタがノックしねぇからに決まってんだろ」  洋一がシャワーの蛇口を捻って文句を言いながら浴びていると、相模は彼を睨みつけて浴槽に入り、片側の淵に両腕を置いて天井を見上げた。  暫く沈黙とシャワーの音が浴室内に響き渡る。 「あのさ、見習い」 「……」  ポツリと呟く相模に洋一は何も反応せず、ボディーソープを適量出して体を洗い始める。  
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