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そういやぁ、何で相模さんは俺に対しての呼び方を変えたんだ?
やっぱ、あのまま俺といがみ合ってちゃあ、森泉さんや檜原さんとか他のメンツに迷惑掛けちまうからか?
そう考えたら、相模さんって案外律儀?と、いうことになるのか?
そう思いながら洋一は更に相模に問い掛けてみた時を想像する。
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『思ったんだけどさ。お前って律儀だよな?』
『は?アンタ、そんなこと俺に言うとかバカじゃねぇの?まともな話はねぇのかよ、オイ、ゴラァ』
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「ハァー、ダメだ。めんどーな答えしか絶対に返ってこねぇ。聞くのやめよ。そうしよ」
相模が、不愉快全開だと訴えるくらいに眉根を寄せて答える姿に、洋一は想像した自分に呆れて溜め息吐くと、思いに耽ってる間止まっていた手を再び動かし髪を乾かした。
「ふぅっ。さぁて、何しようかな。って、ん?」
完全に髪を乾かしバスタオルを洗濯機に入れて脱衣所から出ると、リビングには檜原と森泉の二人の他に播磨が居り、彼はソファーに座る二人を見て赤い大きめな布をポケットから取り出した。
「まず、此処に赤い布がある。特に何もないごく普通の無地の布だ」
播磨は微笑んで話しながら布の両端を持ち、二人の前に広げて表裏を見せてそれを二人に渡す。
「まぁ、見た感じ、触った感じはホントにフツーの布だな」
「うんうん。怪しいところも何も無いし」
「では、この布がいきなり何かに変わったら驚くか?」
森泉から布を受け取って播磨がゆっくりと口端を吊り上げると、彼は目を輝かせてコクコクと縦に首を振った。
「兼城くんはどうだ?驚くか?」
「へ?まぁ、そりゃあ驚きますけど……」
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