1人が本棚に入れています
本棚に追加
「相模さん。俺がこんな発言して気に入らねぇのかよ?」
『あぁ、気に入らねぇ。
けど、アンタのその勘は当たってる、と、言ってやる』
「はぁ?まさか、マジでミッションとか……じゃ、ねぇよな?」
洋一は眉根を寄せ、インカムに手を当てたまま問い掛ける。
『そのまさかだ。
兼城、今回は檜原さんから、俺とアンタが協力して出るようにと言われている。というわけで、アンタ、
──俺の下僕として働けよ』
──ピシッ
張り詰めた空気に、一筋の大きな罅[ヒビ]。
突如、相模の口から出た言葉に、洋一は、あまりの苛立ちにピクピクと片眉を動かすと、拳を握り締めて声を荒げた。
「はぁア?!誰が、お前みたいなドチビなガキの下僕になるかよ?!
つか、お前が俺の手足になれよ!俺より戦力が優れてるからって、頭が悪いお前なんかが命令すんな!」
『ぁあ゛!?生意気言ってんじゃねぇよ、木偶が!ていうか、頭悪ぃって決め付けてんじゃねぇぞゴラァ!
だいたい、まだまだ経験積んでねぇ見習いのアンタなんかに、俺が手足になるわけねぇだろッ!アンタは、大人しく見習いとして先輩の命令を聞け。黙って俺の言うことに従えや!』
「従うかよ、ガキが!
あー、マジでイラつくお前が先輩だと、萎えるどころか疲れちまうぜ。
しかも、ミッションで怪我する挙げ句に、ターゲットを殺そうとした奴らも逃がしちまうし、足引っ張り放題なヤツがバディだなんてやんなるよなー」
『ぐぬぅぅう……』
洋一が、半ば棒読みで嫌味ったらしく刺していると、インカムの向こう側から、沸々と怒り込み上げているのか相模が唸り声を出し、机か壁かは判らないがその類を力一杯に叩いた。
最初のコメントを投稿しよう!