金主義マスコミさんと、強欲幽霊くん

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  「ウッッメエーー!」  夜中のRe:set本部に響き渡る、邪[よこしま]な歓喜の雄叫び。 「ん?」 「何だァ?」  あれからミーティングが終わり、時間の節約の為に、相模と一緒に風呂へ入ろうとした洋一は、相模と共に階段の上からリビングを見下ろした。  頭にヘッドホンを付けて興奮している周防が、iPodを片手に、テーブルをバシバシと叩きながら身悶えている。 「あー……。兼城、ありゃあシカトした方がマシだぜ」 「あ、あぁ」  洋一は、相模に言われた通りに無視して、彼と共に階段を駆け下りると、足早に脱衣所へと向かって引き戸を閉めた。 「兼城。あの時のスッくんに捕まったら、ヒデェ目に遭うぜ?」 「あぁ。何となく解る気がする」  相模の言葉に、洋一は冷や汗を浮かべながら頭を掻き、着ているアンダーウエアを、洗濯機の傍に置いてある籠へ脱ぎ捨てた。  周防は、とてもオープンで、スゴく強烈な薔薇派腐男子だ。  少年のように可愛い顔付きにも関わらず中身は真っ黒で、とても楽しそうな笑みで口から放たれる言葉は、心をへし折るような毒舌と、《ザーッ!》、《ガガガガガッ!》、《バキュゥーンッ!!》、《チュゴォォオンッ!!》といった、あまりにも卑猥かつ過激で、効果音で隠さないといけない放送禁止用語のオンパレード。  見た目とは裏腹に、とてもエグい思考と趣向の持ち主である。  そんな彼にとって、今現在、洋一と相模が一緒に風呂へ入るという事は、とても淫らで破廉恥な妄想展開へと繋がる、絶好かつ最高のシチュエーションだ。 「な?今の俺らの状態なんか、スッくんにとっちゃ、かなりおいしいシチュエーションだぜ?」  
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