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「アンタ、あんま調子に乗んなよ?
警察犬風情が、俺の攻撃を簡単に受け止めるなんざ、百年早ェんだよ」
「だからって、ガチで攻撃する奴がいるかよ?可愛げねぇ“ニャンコ”だな」
「あア゛?!“ニャンコ”だア!?」
「お前、野良猫だからな。ニャンコでいいだろ?」
見下ろす相模に仕返しと、洋一は軽く嘲笑いながら立ち上がって言う。
「今すぐのされてぇのか?このクソ警察犬!」
「はんっ。やれるもんならやってみろよ?可愛いニャ・ン・コ・ちゃん」
睨み付けて威圧を放つ彼に、洋一は涼しい顔をして嫌味ったらしく言った。
「こンの野郎……」
彼の肩がわなわなと震えている。
洋一は、そんな彼を見て軽く鼻を鳴らして嘲笑うと、彼は、背中に背負っていた細長いケースから専用ツールの竹刀を引っ張り出し、それを握り締めて洋一に襲い掛かった。
「ブッコロォォォスッ!」
『うわーーーーっ!!』
「「ッ!?」」
突如、ワイヤレスイヤホン型インカムから聞こえた周防の叫び声。
これに目を見開いた二人は、ピタリと動きを止めて耳に付けたインカムに手を当てると、周辺を警戒しながらインカムから聞こえる音に意識を集中した。
『う、ウメエ……。何コレ。ガードマン同士が会話って、これからイチャコラするんですね?解ります。って、ヤバいよ!ウメエよ!
ガチムチのオジサン、そのままイケメンを押し倒して襲っちゃえ!襲うんだーー!そうそう!そのまま、そのまま!きたきたキターー!ウッッメエーー!』
洋一と相模は、インカムに手を当てたまま、冷や汗を浮かべて固まった。
周防が、邪な方へ熱く脱線している。このままだと、ミッション攻略どころか、周防だけ、熱烈BLフラグ立ちまくり路線まっしぐらだ。
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