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…水がさざめく音が聞こえる。
更にここは磯の香りがするようだ。
…どうやら私は、海辺にいるみたいだな。
しかし…、目の前は暗闇だ。いや、私の目が機能していないからそう思うのかもしれない。
そう思うのは、目を開いても閉じても一面の暗闇が私を包んでいるからだ。
…さて、どうしたものか。
視覚からの情報には期待できないので自分の感覚を信じて動くしかあるまい。
私の動ける範囲で辺りと自分の置かれた状況を確認してみると、
・少なくとも半径5メートルには人がいない
・手足に拘束具が付いていないため自由に動ける
・ここは海辺の近くではあるが私のいる場所は砂浜ではない
・半径1メートル以内には何もない
ということがわかった。
この状況では他の感覚に頼らざるおえない。そのため聴覚、嗅覚、味覚、触覚それぞれを研ぎ澄まして辺りを更に確認する必要がある。まあ味覚については使う出番は極限に少ないのだが。
近くに声をかけて息づかいや物音を聴くだけでは本当に近くに人がいないことは証明できない。もう少し辺りを探索しよう。そのためにも手近な所に棒のようなものがあればよいのだが。
そう思い私は辺りを手探りで探すことにした。
砂浜ではないと感じた私の反応は正しく、木の上、いや、板の上に私はいる。
おそらくここは海の家とかそう言う類のものではなかろうか?
…と言うことはパラソルや机、椅子などがあるはずだ。ぶつからないように気をつけて探索をしていこう。
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