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──数日後の休日。
雲ひとつ無い青空の下、私は久々に墓参りに来た。
掃除をし、花を変え…いつもなら面倒に思う事も今日は淡々とこなし早々に終わらせた。
墓前で手を合わせ、帰ろうとした時にポケットの中にある物を思い出す。
「…お、そうだったそうだった。」
私はそれを取り出すと、出来る限りシワを伸ばして線香立ての横に置いた…くしゃくしゃになった折り鶴だ。
「…20年も待たせてごめんね、お父さん。」
私は墓前でそう呟くと、再び手を合わせてからその場を後にした。
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