第19章

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 先生と看護師さんが去っていきしばらくすると、病室の扉をノックする音が聞こえた。  チーフではないかと期待したけれど、顔を見せたのは宏人だった。 「あら宏人くん、また来てくれたの?」  母が愛想よく宏人に声をかける。 「心配で眠れなくて。美月は大丈夫ですか?」 「さっき目を覚ましたところよ」  宏人がベッドのそばまでやって来る。 「よかった。ほんと、焦ったぞ」 「ごめんね。色々と迷惑かけて」 「だからさ、辛いときはちゃんと連絡しろよ」 「そうよ。宏人くんが気にしてくれていなかったら、大変なことになるところだったのよ」  宏人は仕事中も何度も連絡をしてくれていたらしい。  そういえば苦しくて動けないときに、着信音が鳴っていた気がする。
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