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先生と看護師さんが去っていきしばらくすると、病室の扉をノックする音が聞こえた。
チーフではないかと期待したけれど、顔を見せたのは宏人だった。
「あら宏人くん、また来てくれたの?」
母が愛想よく宏人に声をかける。
「心配で眠れなくて。美月は大丈夫ですか?」
「さっき目を覚ましたところよ」
宏人がベッドのそばまでやって来る。
「よかった。ほんと、焦ったぞ」
「ごめんね。色々と迷惑かけて」
「だからさ、辛いときはちゃんと連絡しろよ」
「そうよ。宏人くんが気にしてくれていなかったら、大変なことになるところだったのよ」
宏人は仕事中も何度も連絡をしてくれていたらしい。
そういえば苦しくて動けないときに、着信音が鳴っていた気がする。
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