第19章

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 もしかしたら母がチーフに何か言ったのだろうか。  チーフの気分を害したり、立場を悪くするようなことを言っていたなら許せない。  せっかくチーフとの関係が元に戻ったのに、不安でたまらなくなった。 「それどころじゃないって、どういうことよ」 「今は病気を治すことに専念しなさいってことでしょう」  母はため息を吐いた。  ため息を吐きたいのは私の方だ。  私と母が険悪なムードになりかけたのを宏人は悟ったのだろう。  宥めるような口調で間に入る。 「お母さんも、美月のことが心配なんだよ」  納得したわけではないけれど、反論しても仕方がない。今は誰とも争う元気もない。  チーフに会えたら安心するのに、それもいつになるのだろう。
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