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「宏人くんの方がずっとお似合いだわ」
そんなことを言い出すとは思わなかった。
「宏人はただの友達だよ」
「でも、宏人くんが美月と連絡が取れないことを心配して部屋まで見に行ってくれたのよ。前の日から調子が悪そうだったからって」
宏人には感謝している。
でもそれとこれとは話が別だ。
「そうそう。宏人くんが、私の送り迎えもしてくれるって」
「なによそれ。いつ、そんなこと話したの?」
「宏人くんの方から言ってくれたのよ。美月のアパートから毎日通うんですかって。それなら僕が、送り迎えしますよって」
「勝手にそんなこと頼まないで」
「勝手にじゃないわよ。じゃあ高城さんが、毎日迎えに来てくれるの?」
私のいないところで、話がどんどん違った方向に進んでいく。
宏人も宏人だ。
余計なお節介なだけだ。
「お母さんは高城さんとのお付き合いには反対だからね」
「お母さんには関係ないから」
「今回のことでもわかったでしょう。あなたには、私がいなくなってからも、安心して任せられる人が必要なの」
「そんなのお願いしてない」
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