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「明日、持って来て欲しいものがあったら連絡して」
それだけを言って母は出て行った。
私は急いでスマートフォンを取り出した。
チーフからのメッセージが一通届いていた。
"調子はどう? 明日またお見舞いに行くね"
その内容にホッとする。
母が余計なことを言ったのではないかと気が気ではなかった。
もう、ここへは来てくれないのではないかと不安でたまらなかった。
文字を打つ手が弾む。
"部屋でのんびりしています。初日から暇すぎて帰りたいです"
"元気そうでよかった。お母さんは?"
"今帰りました"
"そうなの? まだ面会時間に間に合うから、顔を見に行ってもいい?"
"ほんとですか?"
"これから向かうよ"
気分は一気に回復した。
昨日までの数日間のことが嘘のように、いつものチーフに戻っていた。
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