第19章

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「私の考えが甘いですか?」 「そんなことはないよ。ただ俺は、勢いに任せて突っ走ることはしたくない。美月より人生経験は豊富だからさ、大人らしく振る舞わないと」  チーフは頭をポンポンと叩いた。 「わかってくれた?」  私は叱られた子供のような顔をしていた。 「美月なら、わかるよな」  それでも返事をしないでいると、チーフは頭に載せた手にそっと力を入れて頷かせてみせた。 「うんって言ったな」 「強引に言わされたんですよ」 「そうやってムキになるところも可愛いな」 「からかわないでください」 「もしかしてさ、さっき……」  チーフはにやけた顔を見せる。 「俺、プロポーズされた?」 「え?」 「結婚してくださいって言われたよな?」 「言ってません」 「言ってないの?」 「言いましたけど、プロポーズじゃないです」 「なんで?」 「なんでって……」  チーフに鼻をつままれた。  そのときノックの音が聞こえた。
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