はじまり

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私の名前は香音【かのん】。 私には日課がある。 それは好きな人に会いに行くこと。 いつも通りの道、いつも通りの曲がり角。 いつも通りの坂の途中。 今日も温かい光が 私を待っていた。 リリリーン 『いらっしゃい』 扉を開けると心地よいベルの音。 少し低い聞き慣れた声。 『今日も遅かったね』 彼はこの店のマスターであり、私の想い人の陽翔【ひかる】さん。 『いつもの、、お願いします』 『かしこまりました』 少しの沈黙の後、キャンドルに火をつけた彼はそっと目を閉じ話しはじめた。
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