第2章

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梓さんに会いに行ってから半年が経った。澄みきった青空にキラリと真紅の赤い糸が空に向かって登って行くのを見た。ドキッとした瞬間、携帯がなった。おじぃちゃん危篤の知らせ。 直ぐに病院に駆けつけた。 「おじぃちゃん!」 「ゆ…うと…これをお前に…やる。ありがとう。ゆうと…。」 おじぃちゃんは俺を見て微笑んだ。 「おじぃちゃん…ありがとう。」 おじぃちゃんとふたりきりで話した後、家族に見守られながら、10月15日、おじぃちゃんは天国に旅立った。 あの時…半年前に本当は余命宣告されていたと後から母さんが教えてくれた。 半年前、俺は、おじぃちゃんと秘密を共有した。男と男の約束。 おじぃちゃんの初恋の人に会いに行く事になった。梓さんは軽井沢にいた。赤い珠に導かれておじぃちゃんと軽井沢に旅行。今思えば、すんなり行かせてくれた理由がわかる。
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