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「これ持ったまま、夕飯の材料買いに行く?
それとも一回帰る?」
「どっちでも」
「じゃあ、二度手間になるけど帰るか
リュックに着替えとか入ってるし、さすがに疲れてきたー」
「…あ、泊まっていくのか」
「ダメだった?」
「大歓迎」
「ありがとー」
まぁ着替えも下着以外入ってないから重くもないんだけどな。
服はいつも貸してくれるし。
家に着いてとりあえず一息つく。
まだ遅い時間でもないし、もう少ししてからでもいいな買い物は。
「何飲む?」
「コーヒーがいい
あ、俺やるよ?」
「座ってろ」
「はーい」
やってくれるみたいだから、その言葉に甘えて、俺は床に寝そべる。
うん、硬いね。
「ベッドに寝転がればいいだろ…
わざわざ硬い床に寝なくても」
コーヒーを2つ持った静に呆れられる。
あ、買ったマグカップ使ってくれてる!
うわぁやばい!
すげー嬉しい!
「俺が誘ってるみたいになっちゃうじゃん
てかマグカップ!
お揃いってなんかいいな!」
「それ流していいのか?
俺的にそこ拾ってその方向に話を進めたいんだが」
「顔がガチすぎて怖い
拾わなくていいから、俺的にはマグカップに何か思ってほしい!」
「マグカップ可愛いな
でも俺にはお前のが可愛い」
真顔で静が近付いてくる。
急いで起き上がろうとするけど、その前に覆い被さってこられて、無理だった。
「ちょっ、静!?
えっと、あの…コ、コーヒー!冷めちゃうよ!?」
「飲みたきゃ後で入れ直してやるよ」
「もったいないよ!
それにほら!買い物行かなきゃだしさ!?」
「後でな」
少しだけ起き上がっていた頭の後ろに手を添えられて、額と鼻先がくっ付けられた。
近すぎて、静の顔もまともに見えない。
「キスしていい?」
キスは初めてじゃないのに、すごく緊張する。
「え、えっと…」
「嫌なら早く拒まないと、するよ?」
たぶん、顔真っ赤だろうな。
「え、えっと…
キス、までな…んっ…」
言葉を遮られた。
「口、開けて?」
「え、舌いれっ… ん、んんっ……んぅ…」
軽い触れるだけのキスかと思ってたら、深い方をされてびっくりしてしまった。
その後も何度かされて、俺が慣れていないのか静が上手いのかは分からないけど、ぐったりしてたのは俺だけだった。
俺、やっぱり雰囲気に流されたりが多いのかな。
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