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何でそう思ったの?
霧山が一ノ瀬に向ける雰囲気?とか優しそうだったから
今までも時々思ってた
付き合ってるとかじゃなくて、霧山は一ノ瀬が好きなのかなーって感じに
よく見てるね
まぁ一年の時から、お前らと仲良しなつもりだぜ?
勘違いだったらごめん
勘違いじゃないよ
一、二ヶ月前から付き合ってる
ごめん
そう送ると、電話がかかってきた。
もちろん藤川から。
『何で謝るんだよ
今付き合ってて、楽しいだろうし幸せじゃねぇの?』
「楽しいし幸せだよ
でも、藤川にとっては気持ち悪かったりするでしょ
だからごめん」
『何でそう思うんだよ
そんなこと一言も言ってないだろ
俺は偏見ないし、応援するよ』
「…ありがと」
『言いにくかったよな
聞いても誤魔化されるかなって思ったけど、言ってくれたの嬉しかった
学校で会う時、距離取ったりするなよ?
そんなことしたら怒るからな』
「うん、分かった
ありがと」
それから少し話して電話を切った。
言っちゃった。
でも嫌われなかった。
電話だったから?
何で偏見ないんだろう?
いろいろあるけど、安心としかいえない。
もう嬉しくて、走って家に帰った。
意味わかんないけど。
ドタバタと騒がしく帰ると、母親に怒られたが、ごめーん!って謝ってそのまま部屋に入った。
すぐに静に電話した。
「静!言っちゃった!」
『あ、言ったんだ』
「うん
偏見ないって言ってた
応援してくれるって」
『藤川なら心配してなかったけど』
「俺すげー不安だったんだけど!」
『まぁ大丈夫だったんだからいいだろ』
本当に何とも思ってなかったようだ。
何でそんな自信あったんだろう?
俺、藤川に避けられたらって思うと辛かったのに。
すごい不安だったのに。
「藤川が偏見ないの知ってた?」
『いや、そんなの聞く機会ないだろ』
「そうだけど…」
『なんとなく大丈夫な気がしてたんだよ』
「…まぁいっか」
嫌われなかったからいいってことにしよう。
だらだらと話してから、電話を切る。
俺の心労は骨折り損となったわけか?
でも、みんながみんなそんな簡単に受け入れてくれるとは思っちゃだめだな。
気をつけよ。
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