何でもない日の想定外。

2/4
前へ
/84ページ
次へ
春休みに入って、1ヶ月ほど過ぎた。 大学生の春休みは本当に長くて、バイトに行く以外は時々友達と遊んだり飲みに行ったりする以外は本当に暇だ。 基本的に引きこもり気味な俺は、ベッドから出ないまま携帯をいじっていた。 「やることねぇなぁ…」 実家暮らしの大学生なんて、本当こんなもんだと思う。 やりかけのゲームをやる気にもならない。 バイトもないから支度をしない。 友達も多いとは言えない俺は、やることがない。 携帯をいじることにも飽きて、投げ捨てた。 「誰か暇な奴いねぇかなぁ…」 何人かにラインでメッセージを送ってみてもすぐに返事があるわけでもなく、寝ることにした。 目が覚めて、3時間くらい経っていたことに気がついた。 嬉しいことに、1時間ほど前と30分くらい前に友達からラインが来てた。 『暇なら俺ん家きてゲームする?』 『おーい、寝てんの?』 すまん、誰からも返事こなかったから寝てた 今から行っていい? 『ついでに酒買ってきて あと、何か食べるもの作ってー』 りょーかい といった感じでやり取りをして、買い物に行ってから友達の家に行った。 「お前は構ってくれると信じてたぜ、しずかちゃん!」 「ちゃん付けやめろや 腹減ったから早く晩飯作って」 「一人暮らしなんだから料理くらいできるようになれよ…」 返事をしてくれた友達、霧山静。 「波留が来た時作ってくれるからいいかなーって お前よく泊まってくじゃんよ、せめて俺の飯くらい作ってくれてもバチは当たらんだろうよ」 波留とは俺のことで、決して静の彼女とかではない。 「まぁいいんだけどさ あ、今日も泊まっていくから」 「知ってる」 適当に飯を作って食って、風呂も入った。 これから酒飲みながらゲームでもしようって流れだ。 「何やる?」 「俺FF続きなんだけど」 といって準備し始める静を慌てて止める。 理由は簡単。 「1人プレイじゃん! せっかくゲームやりに来たのに、静1人でやるとか俺泣くよ?」 「じゃあ、バイオハザード?」 「ゾンビ怖いからやだ!」 「文句ばっかだな…」 昔からホラーゲームが苦手な俺は、バイオハザードなんて怖くて見るのも嫌だ。 眠れなくなるし。 何が悲しくて男に抱き付いて寝なくちゃいけないんだ。 とりあえずマリオカートということで決着が着いた。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加