何でもない日の想定外。

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「なぁ波留さんや」 「んー? てかマリカー飽きてきた」 2人で20レースくらいやってたら流石に飽きるな。 俺はゲーマーでもないし、元々飽きっぽい性格だし。 「いやうんそれもあるけど」 「映画見たい」 「今何も借りてない」 何もないなら仕方ないな。 他のゲーム… いいや、俺漫画読もう。 「FFやってていいよ」 「波留何すんの?」 「漫画」 「はいよ」 そういえば、酒のつまみが減ってきた。 まぁ飯食った後だし、そんななくてもいいんだけどさ。 今度何飲むか… 「ウイスキーあるっけ?」 「あるよ ハイボール飲むの?」 「ジンジャーハイボール!」 「じゃあ俺コークハイで」 「俺が作るんかい」 文句は言いつつ作りますよ。 うちのしずかちゃんは面倒になるとそのままロックで飲むからな。 すぐなくなっちまう。 酒が強い奴はこれだからずるい。 ロックで飲むとか格好いい。 作った後、漫画を読んでいた。 「そういやさー 静さっき何か話そうとしてなかった?」 「あぁうん もう話していい?」 「いつでも話していいよ」 「あそ まぁ、あのさ、俺、波留のこと好きなんだけど」 「へー」 沈黙が訪れた。 響いたのは俺がページをめくる音だけだった。 「……ん? ちょっと待って静今なんて言った?」 気のせいじゃなければ、好きとか言わなかったか? 俺のことを。 「好きって言った」 「誰を?」 「波留を」 「誰が?」 「俺が」 1度深呼吸して、改めて考えた。 静が俺を好き。 とりあえずここは置いておこう。 俺は男で、静も男。 同性だよな? ということはあれか。 「ホモォ?」 「とは違うがな 男が好きとかじゃなくて、波留が好き」 「…すげー直球だな」 友人として、とかそんな感じかな。 それならとても嬉しいことですね。 「友達として、的な?」 「恋愛的な方ですな」 「あー…えっと、じゃあ俺は同性の親友に告白されてるの?」 「うん」 まじか… 酔ってんのかな? でも静は顔に出ない以前に全然酔わないしな… 本気、なのか? と思ってゲームの画面から目を離さない静を見ると、真っ赤だった。 「静、顔真っ赤」 「うるさい」 あーね、そういうね。 本気なんですね。 てか、冗談でこういうこと言うやつでもないんだよなぁ。
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