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「待ち合わせとかデートっぽい」
「いつも俺が静ん家行ってるからね
そのまま家でゲームだし」
「一人でずーっとやってる時あるよな、俺の家なのに」
「…ごめん
嫌だったよな?」
「ゲーム相手に会話してたり、一々反応してたりとか可愛かったから全然あり」
「…可愛いは、喜べない」
あの日以来、静は何も隠さなくなったんだ。
すぐ可愛いとか言うし。
電話越しの声がすごく優しくなったっていうか…
声に気持ちが乗って、好きが伝わってくる。
それがやっぱり前までとは一番違く感じる。
声を聞くだけで、今笑ってるんだろうなとかあんな顔してんだろうなとか、すぐに想像できてしまう。
それがもう本当に恥ずかしくて。
すっごく嬉しいんだけど、恥ずかしい。
「これがデレ期か」
「何言ってんの?」
「何でもないです
てか誘ったはいいんだけど、行く場所とか決めてないんだよねー
静に会いたかっただけだし」
「そういうの可愛い」
「何でもありだなオイ」
静こそ、恥じらいを持てばいいのに…
可愛いとか言われるとね、だんだん恥ずかしくなってくるんですよね。
俺が顔赤くなるってば…
「じゃあ、映画見よう
波留は見たい映画ある?」
「特にないかな」
「俺見たいのあるからそれに付き合ってくれるか?
その後買い物でもしよう」
「さーんせーい」
洋画のサスペンス映画だった。
こういうの好きって大人っぽいし、格好いいな。
俺とは全然違うな。
アニメの実写とかSFとかが多いからなぁ。
「飲み物何がいい?」
「コーラ!」
「 ポップコーンいる?」
「キャラメル!」
何故かニッコリしてる静に頭を撫でられる。
いやまじで何で?
子供っぽいとかそういうことですか。
甘いのが好きなんだから仕方ねぇじゃんよ!
「アイスコーヒーとか格好付けやがって!」
「波留の前だからな」
「いやいつもコーヒー飲んでんじゃん」
「好きだからな」
飲み物とかポップコーンのお金は静が払ってくれた。
俺が彼女なのか。
女顔だからかそうなのか!?
とまぁ不満ながらも映画は面白かった。
俺には内容が少し難しかったけど。
勉強はちゃんとやれば静よりできるはずなのに…
「ちゃんと起きてたな」
「寝るわけないじゃんよ!
じゃ、買い物ー」
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