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「美咲ちゃん綺麗…」
さおりがうっとり頬に手を当てる。
「私にも良い人現れないかな…」
「ハイリスクノーリタンなテメェを選ぶ物好きがいるかね?」
「姉貴の場合は良い人を探す前に性格をどうにかしたらどうだ?」
「アンタら喧嘩売ってんか!?」
年甲斐もなく乙女チックなさおりに容赦ない茶々を入れる俺と涼平、それを陸が冷ややかに見ていた。
「ふたりとも…そのへんにしておきなさい」
陸は俺と涼平をたしなめる。
悠太さんは料理の専門学校でトップの成績だっただけあって日ごろ作りなれない結婚式の料理も華やかにできてる。
「しかし、悠太さんって料理上手ですよね?」
「まぁ、陸の料理の上達ぶりを見れば今さらな気もするがな」
俺の言葉に顔を赤くする陸…もう少し陸を愛でたいが視線を颯希に移した。
「大丈夫か?」
「うん…」
いつもの無理した様子ではなく、自然に気持ちを伝えるようにうなずくのを見て俺はほっと安堵をした。
いつか颯希にも、俺にとっての陸や美咲にとっての達樹のような人が現れてくれれば良いと思う。
………少しだけ悲しい気もするけど。
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