第一章 目覚め

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フェイスブックというツールが今現在にはあるらしく、そのツールで名前を検索すると出身校や入社している会社、良いときだと顔写真までプロフィール画像として載せている人もいるということを夢田くんから聞き、「奇田くんもフェイスブックやってみたら?」と誘われたので、フェイスブックを始めることにした。ボクは、プロフィールに中学2年で中退と記入した。いまさら、学校に戻ってもしかたないと思ってもいた。小学校から一緒だった友人や女子たちは皆、今現在大学生や社会人、はやい人だと結婚などもしているに違いない。ボクの脳裏にサ~ッっと嫌な予感がよぎる。もし、あかねさんやゆりちゃんが、もう結婚していたらどうしようと…しかし、ここでグダグダと考えても詮無きこと。ボクは、フェイスブックであかねさんの名前を検索した。すると同姓同名の人物が100人以上検索された。日本中にはこんなに沢山の「永岡あかね」さんがいるんだなぁとボクは、驚いた反面、ボクの恋いこがれた「あかねさん」は、世界に一人だということもそのとき気がついた。
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